CO2フラクショナルレーザー、ODYSSEYオデッセイ
高性能スキャナ付きCO2フラクショナルレーザー
ただのCO2レーザー、あるいは、フラクショナルモード付CO2レーザーは、数多く存在します。しかし、ODYSSEYはそれらとは一線を画すCO2レーザーです。
実は、他の追随を許さない、最高峰のスキャナ付きCO2フラクショナルレーザーとして、シネロンキャンデラ社のCO2RE（コア）というレーザーがありました。10年ほど前に登場したこのCO2レーザーは、その操作性、機能、美しいフラクショナルのドット、均一なスキャナドリリングなど、一度手にしてしまうと、他のCO2レーザーは使えないというほどの、多くのドクターから愛されてやまない名機でした。しかし、このレーザーは後継機種が作られることもなく、販売終了となり、現在では購入することが出来ない今となっては幻の名機となってしまいました。
ODYSSEYは、そんな中、やっと現れた、CO2REに匹敵・凌駕するスキャナ付き・フラクショナルモード付CO2レーザーです。
ODYSSEY ウルトラパルスCO₂レーザー
１．概要 ― 進化したCO₂レーザーが導く、新しい治療基準
ODYSSEY（オデッセイ）は、フラクショナルモードと高精度スキャナ機構を融合した、次世代型ウルトラパルスCO₂レーザーです。
微細構造レベルでのエネルギー制御を可能にし、組織の選択的アブレーションから真皮リモデリングまでを一貫して行う革新的プラットフォームとして設計されています。
皮膚再生や瘢痕治療をはじめ、美容皮膚科・形成外科・婦人科・歯科・耳鼻咽喉科など、複数診療領域における治療ニーズを一台で網羅。
その精緻な照射制御と多彩なハンドピースシステムにより、切開・蒸散・凝固・再生の各プロセスを自在にコントロールし、従来のCO₂レーザーでは到達し得なかった臨床的自由度と再現性を実現します。
結果として、ODYSSEYは「高い治療効果と低侵襲性を両立する、医療レーザーの新しい標準」として、世界各国の医療現場から高い評価を受けています。
ODYSSEY 基本スペック
（精密なドットパターン制御）
２．特徴 ― 治療領域を超えて進化した多機能性
① スキャナ式フラクショナル照射
ODYSSEY のフラクショナルモードは、数千本のマイクロビームを均一に照射し、マイクロサーマルゾーン（MTZ）と呼ばれる微細な蒸散・凝固カラムを皮膚内に形成します。
この微小な熱刺激が真皮の線維芽細胞を活性化させ、新しいコラーゲン・エラスチン生成と表皮再生を誘導。
その結果、しわ・毛穴・ニキビ痕・ストレッチマークなど、さまざまな肌トラブルを総合的に改善します。
従来のフルアブレーティブ照射に比べ、周囲組織への熱影響が抑えられるため、ダウンタイムを最小限に抑えながら高い肌再生効果を実現します。
② ウルトラパルス発振による低侵襲治療
極めて短い照射時間（マイクロ秒単位）で高出力を発揮するウルトラパルス発振技術を搭載。
これにより、標的組織を選択的に蒸散させつつ、周囲への熱拡散を最小化します。
その結果、切開・蒸散・凝固の各プロセスを精密にコントロールでき、止血性が高く、治療後の炭化や瘢痕形成を大幅に抑制。
美容医療だけでなく形成外科領域においても、より繊細で滑らかな創面処理が可能です。
③ 高精度スキャナによる均一な照射
独自設計のスキャナ照射システムは、ドット径・照射密度・パターン形状をミクロン単位で制御。
これにより、顔全体のリサーフェシングから瘢痕修正、粘膜領域の治療まで、均一かつ再現性の高い照射が可能となります。
さらに、照射ムラを最小化するスキャンアルゴリズムが搭載されており、オーバーラップや照射漏れを防ぎながら、安全で安定した治療結果を導きます。
④ 領域別ハンドピースシステム
臨床現場での多様なニーズに応えるため、ODYSSEY は用途別に最適化された複数のハンドピースを搭載。
50 mm／100 mm 美容ハンドピース、フラクショナルハンドピースをはじめ、皮膚科・形成外科・美容皮膚科領域に特化した4種類の専用ハンドピースを用意しています。
それぞれがビーム径・焦点深度・スキャン形状を最適化しており、目的に応じた精密なエネルギー伝達と治療効率の最大化を実現。
1台で複数領域をカバーできるモジュール構造により、医療現場の汎用性と操作性を高めています。
３．フラクショナルCO₂レーザーの作用機序 ― 再生医療の原理に基づく肌・組織リモデリング
フラクショナルCO₂レーザーは、皮膚や粘膜の表層から深層にかけて微細な蒸散（アブレーション）と凝固のマイクロカラムを形成します。
この微小熱損傷（マイクロサーマルゾーン：MTZ）は、周囲に健常組織を残しながら創傷治癒機転（wound healing process）を誘導し、短期間での修復を可能にします。
治癒過程では、線維芽細胞が活性化され、新しいコラーゲン・エラスチン線維の生成と毛細血管の新生（アンジオジェネシス）が促進。
その結果、皮膚の厚み・弾力・水分保持力が改善し、時間の経過とともに肌質全体のリモデリング（構造再構築）が進みます。
フラクショナルCO2レーザーの作用
フラクショナルCO₂レーザーの作用
皮膚再生作用
- 新しい表皮の再形成と、真皮層でのコラーゲンリモデリング
- しわ・毛穴・くすみの改善により、滑らかで均一な肌質へ導きます
瘢痕修正作用
- 傷跡やニキビ痕における線維の再構築を促進
- 硬化した瘢痕組織の柔軟性回復と、色調のなじみを改善します
フラクショナルCO₂レーザーは、単なる表面的な治療にとどまらず、 細胞レベルでの再生を誘導する「再生医療的レーザー」といえます。 肌や粘膜の自然治癒力を最大限に引き出し、時間の経過とともに より健やかで均整のとれた組織構造へと導くことが特徴です。
不規則なフラクショナル、スプレーモードが選べる。
いわゆる、『やった感』が抑えられる
オデッセイは、フラクショナル照射でスプレーモードという照射方法を選ぶことが出来ます。
規則的なフラクショナルは、いわゆる、CO2フラクショナルをやった、という感じが強いのと、境界線、重なったところ、照射していないところ、の差が強く出ます。
全顔など、広範囲にフラクショナル治療を行う場合は、スプレーモードを選択することで、自然な仕上がりにすることが出来ます。
また、照射密度も25段階選択することが出来るため、スプレーモードを組み合わせて、より柔軟な治療対応が可能です。
４．治療アプリケーション
ODYSSEY の主な適応領域と使用ハンドピース
| 領域 | 主な適応 | 使用ハンドピース |
|---|---|---|
| 美容外科 | 魚の目・イボ・母斑・汗管腫の蒸散、切除 | 50 mm／100 mm HP |
| 美容フラクショナル | しわ、毛穴、ニキビ跡、肌の引き締め、肝斑・色素沈着、ストレッチマーク | フラクショナル HP |
| 皮膚科・形成外科 | 切除・切開・包茎手術・痔核・尖圭コンジローマ | 50 mm／100 mm HP |
５．臨床効果 ― Before / After
海外の臨床データでは、以下のような顕著な改善が確認されています。
・ニキビ痕改善（皮膚再生による凹凸修正）
・毛穴縮小・肌質改善（真皮再構築・皮脂腺リモデリング）
・しわ・たるみ改善（コラーゲン増生による張りの回復）
・ストレッチマーク改善（皮膚伸展線維の再生）
以下、参考資料として海外臨床写真を提示します。※日本での治療実績ではありません。
（オデッセイの導入実績は、当院が日本での一台目の機械であるため、臨床データはまだそろっていません。）
～提示症例に関する注意～
海外症例であり、実際の回数、施術強度が不明なものも含まれております。
施術にかかる金額に関しては海外症例のため、不明です。
人種や肌の色調により、施術の強度は国ごとに違うとお考え下さい。ダウンタイムも国により、考え方が大きく変わる傾向にあります。
当院では最適な施術強度を臨床研究課題として、治療実績を重ねていきたいと考えています。
料金表
オデッセイ フラクショナル治療 料金表
肌質やお悩みに合わせて、フラクショナルレーザーピーリング・ニキビ跡治療・傷跡治療を組み合わせてご提案します。
フラクショナルレーザーピーリング オデッセイピール（薬剤込み）
肌全体のトーンアップ・キメ・ハリ感を高めたい方に。
※ 薬剤ピーリング込みの価格です。毛穴・くすみ・ハリ感の総合的な改善を目指します。
クレーター・ニキビ跡治療
気になる凹凸をピンポイントに集中的ケア。ショット数に応じた段階料金です。
※ 基本料金に加え、使用ショット数に応じて料金が加算されます。
※ 小範囲から広い範囲まで、状態に合わせてショット数をご提案します。
傷跡治療（手術痕・外傷後瘢痕など）
大切な傷跡を、少しずつ目立ちにくく整えていく治療です。まずは小範囲でのテスト照射も可能です。
※ 幅10mm以上、または隆起が強い瘢痕の場合は、状態により手術をご提案することがあります。
※ いずれの治療も、1回で完結するものではなく、複数回の治療を前提としたメニューです。
※ お肌の状態や瘢痕の性状によって、必要回数や最適な治療間隔が異なります。
詳細は診察時に医師が丁寧にご説明いたします。
６．ダウンタイム・安全性
ダウンタイムとアフターケアについて
治療直後の皮膚反応
治療直後は、ほてり感や軽度の赤み・ヒリつきを自覚されることがありますが、
多くの場合は数時間〜数日で落ち着き、通常 24〜72 時間以内に改善します。
症状が強い場合には、クーリングや軟膏塗布などを適宜行います。
メイク・日常生活の目安
メイクは翌日から可能です（照射設定や治療部位により、
医師が個別に指示する場合があります）。
洗顔やシャワーは当日から可能ですが、強くこすらず、
ぬるま湯でやさしく洗い流すようにしていただきます。
推奨されるアフターケア
- 十分な保湿ケア（刺激の少ない保湿剤の使用）
- 日焼け止め・帽子などによる遮光対策の徹底
- 医師から処方された軟膏や外用薬の塗布
これらは感染予防・炎症の抑制に加え、より良い治療結果を得るために重要です。
再生期間と効果の蓄積
皮膚内部でのコラーゲン再構築には時間を要し、おおよそ 2〜4 週間かけて
再生プロセスが進行します。
この期間を通して肌の質感やハリが徐々に変化し、
施術を重ねるごとに効果が段階的に蓄積していきます。
効果の現れ方や回復スピードには個人差があります。
７．学術的背景と国内導入に関するご案内
本機 ODYSSEY ウルトラパルスCO₂レーザー は、すでに海外の医療機関において広く導入され、
美容外科・皮膚再生・婦人科領域などでの臨床研究 が複数報告されています。
その有効性と安全性に関する臨床データは、学会発表や国際誌においても徐々に蓄積されつつあり、
創傷治癒・組織再生を目的としたフラクショナルCO₂レーザーの新しい応用領域として注目されています。
国内導入に際しては、医療従事者向けに学術講習会・症例共有・操作トレーニングなど、
学術的サポート体制が整備されており、安全かつ適切な運用を推進しています。
当院においても、これらの国際的な知見および教育プログラムに基づき、
医師主導のもとで慎重に導入・運用を行っています。
８．未承認医療機器に関する表記（法令に基づく表示）
本機器は、現時点では日本国内における薬機法上の医療機器承認を取得しておりません。
治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
本治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入手続きをおこなったものです。
当院では、未承認医療機器の取り扱いに関し、
・医師が文献および海外の臨床データを十分に確認した上で使用していること
・海外では同等機種が医療機器として承認・使用されている国があること
・国内法に基づき、輸入手続きを経て適切に管理・運用していること
を確認し、患者さまに十分に安全に配慮し、施術を行っております。
安全性への配慮に関して、本機の導入にあたっては、
医師・看護師がメーカーおよび学術機関によるトレーニングを修了し、照射条件・適応選択・術後管理に関して厳格なプロトコルを遵守しています。
また、治療結果や副反応の経過についても、常に最新の学術情報を参照し、安全性・有効性の両面から評価を重ねています。